クレジットカードと国際ブランド
日本国内で発行されている全てのクレジットカードは国際ブランドと呼ばれるクレジットカードブランドのうちどれか1つのブランドマークが券面に記されています。クレジットカードの国際ブランドは5大国際ブランドと呼ばれる5種類があり、それぞれ提携店舗や基本的なサービスに違いがあります。
クレジットカード選びではどの国際ブランドを選ぶのかも重要な選択です。ブランドによってクレジットカードの利便性は大きく変わります。なんとなくで選んでしまうといざ使おうとしたときにカードが使えない可能性もあります。どのような場面でクレジットカードを使う予定なのかを考えつつ目的にあった国際ブランドを選びましょう。
クレジットカードの5大国際ブランド
世界規模で展開しているクレジットカードの国際ブランドは5つです。5大国際ブランドと呼ばれるのは
- VISA(ビザ)
- MasterCard(マスターカード)
- JCB(ジェーシービー)
- American Express(アメックス)
- Diners Club(ダイナース)
の5つのブランドです。各ブランドはそれぞれの加盟店での決済に利用できます。
国際ブランドとは
国際ブランドを簡単に説明すると「クレジットカードの決済システムを提供している会社」です。クレジットカードはカード会社によってさまざまな種類が発行されており日本国内だけでも約600種類のカードが存在します。
クレジットカードはそれぞれ審査基準やお得なサービスなどは異なりますがカードの基幹である決済システムそのものは各社共通しています。これはクレジットカードの決済システムはカード会社が独自に用意しているのではなく、国際ブランドが用意したシステムに各カード会社が参加する形になっているからです。
クレジットカードの発行元は異なっても国際ブランドが同じなら決済に使える加盟店も同じです。国際ブランドの加盟店は世界各国に存在します。5大ブランドすべてが使える加盟店も多いですが、地域によってはVISAのみしか使えなかったりダイナースだけ使えなかったりということもあります。
それぞれのブランドごとに加盟店数は異なります。店頭に対応する国際ブランドマークが掲示されていればその国際ブランドで決済できる加盟店の証です。国際ブランドに対応してればどの国であろうと審査などは不要でクレジットカード決済が可能です。逆に加盟店以外ではカードを持っていても決済には使えません。
国際ブランドはカード1枚につき1種類
クレジットカードの国際ブランドはカード1枚につき1種類のみです。1枚でVISAとJCBの国際ブランドで決済できる、といったような複数ブランドのカードは存在しません。複数の国際ブランドに対応したいなら個別に審査を受けた上でクレジットカードも複数枚持つ必要があります。
カード発行時に国際ブランドを選べるクレジットカードもあります。国際ブランドによるカード機能の違いはありませんがクレジットカードは1社につきひとり1枚しか発行できません。
同じカード会社で複数の国際ブランドカードを発行することはできないので、複数の国際ブランドのカードを用意したいならクレジットカードも複数社に申し込みそれぞれ異なる基準の審査を通過する必要があります。同じ国際ブランドのカードを複数枚持っていても加盟店数は増えないので複数枚カードを持つならそれぞれ別の国際ブランドを選んだほうが利便性は上がります。
クレジットカードの5大国際ブランド紹介
加盟店数世界一!色々なシーンで使えるVISA(ビザ)
VISA(ビザ)は5つの国際ブランドの中で最も加盟店数の多い国際ブランドです。VISAの加盟店は世界各地に広く存在しており地域的な偏りはほとんど見られません。海外に持っていくクレジットカードの国際ブランドをひとつだけ選ぶならVISAを選んでおけば間違いないでしょう。
VISAは日本での普及率も高く、クレジットカードを持つ人の80%がVISAブランドを選択しています。使える店やサービスも多くクレジットカードが使える店のほとんどで決済に使えます。店頭での決済以外にもネットショッピングや公共料金の支払い、家賃の支払や納税など主要な決済はほぼVISAに対応していると考えて問題ありません。
クレジットカードには国際ブランドが直接発行するプロパーカードというものがありますが、VISAはプロパーカードを発行していません。VISAブランドのカードがほしいなら提携しているクレジットカードに申し込んで審査を通過した上で発行する必要があります。
VISAと並ぶツートップ!MasterCard(マスターカード)
MasterCard(マスターカード)はVISAと並ぶ加盟店数を誇るカードです。世界全体の加盟店数で見るとVISAがやや上回りますがヨーロッパやオーストラリアではMasterCardの方が強く加盟店数でも有利です。使いやすさで選ぶならVISAかMasterCardのどちらかを選んでおけば安心です。
MasterCardブランドに対応しているクレジットカードはVISAと並んで多数です。MasterCardブランドに特化したクレジットカードも多く、比較的審査が甘いと言われるカードはMasterCardブランドが多い傾向が見られます。カード会社による決済機能の違いはないのでMasterCardブランドであれば世界中どこでも使えます。
MasterCardは「プライスレスジャパン」という独自サービスを提供しています。MasterCardブランドのカードを持っていれば審査なしに利用できるこのサービスはホテルやレストランの割引、プレミアム観劇プランなどお得な内容です。
日本発の国際ブランド「JCB(ジェーシービー)」
JCBはクレジットカードの国際ブランドの中で唯一日本で誕生したブランドです。加盟店数はVISAやMasterCardには劣るものの世界190以上の国と地域で1800万店と十分世界に通用するカードです。
日本発のカードだけあって日本国内での加盟店数が多いのが特徴です。国内でカードの使える店舗は多くがJCBの加盟店であり、海外旅行や海外通販を利用しないならJCBで不便を感じることはないでしょう。日本人観光客の多い地域を中心に加盟店を増やしているので台湾や韓国、東南アジアなどアジア地域ではVISAやMasterCardと比べても見劣りしない加盟店数です。
ステータスには定評のあるAmerican Express(アメックス)
American Express(アメックス)はステータスの高さに定評のあるカードです。戦略的に高級イメージを押していることもあり選ばれた人だけが持つ特別なカードというステータス感が高く、いつかはAmerican Expressを持ちたいと憧れる人も少なくありません。
American Expressのゴールドカードやプラチナカードは特別な位置づけをされるステータスカードです。最上位ランクのブラックカードはクレジットカードの中のクレジットカードで、全てのカードの頂点に立つTOPステータスのカードです。
American Expressの加盟店はアメリカが中心で日本では多くありませんが、JCBとの提携によりJCB加盟店であれば決済に対応します。使いやすさよりもステータスで選ばれるカードです。
富裕層向けのDiners Club(ダイナース)
Diners Club(ダイナース)は富裕層向けとして誕生した国際ブランドです。誕生当初から富裕層向けのサービスに特化しており加盟店も高級ホテルや有名レストラン、一流ブランドショップなどラグジュアリーな店舗が中心です。
加盟店が高級店に絞られているため加盟店数そのものは多くありません。使い勝手は他のブランドに一歩劣りますが、富裕層向けだけあって一流店であればほとんどの店で決済に使えます。経営者や有名人などセレブ向けの国際ブランドです。
国際ブランドはどれがお得?
国際ブランドでお得さはほとんど変わりません。加盟店数が多いVISAやMasterCardは使い勝手が良くお得と言えますがポイントのためやすさなどはカード会社によって決まり国際ブランドは影響しません。国際ブランドはお得さよりも実用性で選びましょう。日常の買い物と海外旅行ではふさわしい国際ブランドは異なります。使うシーンをイメージして国際ブランドを決めてください。