各社共通する審査基準
クレジットカードを作成する場合には審査があり、その審査に通過しないことには新しいクレジットカードを利用できません。審査の内容は公表されていず、各クレジットカード会社によっても異なり、審査の甘いところと厳しいところがあります。審査の甘いところを選んだほうがいいようにも思えますが、厳しいところには厳しいなりの特典がいろいろあり、かなりお得になっています。
ただ、どちらを選んでも、基本的な項目は共通しています。その共通項目を見ていけば、審査通過のポイントも見えてきますし、お得な利用方法もわかります。これから、クレジットカードの審査の特徴について詳しく解説していくので、新たにクレジットカードの作成を考えている人は、参考にしてください。
まずは属性審査
属性とは、申込者個人に関する情報のことで、次のようなものを指します。
- 年齢
- 職業
- 勤め先
- 勤続年数
- 年収
- 家の種類(持ち家か賃貸かなど)
- 居住年数
- 同居している家族
- 他社借入件数
- 他社借入額
など調査項目は多岐に及びます。
これらの項目の一つ一つについてスコアリング(点数化)を行い、その点数の高い低いによって、クレジットカードを発行していいかどうかの判断をしています。
それぞれの項目において、どのような人なら高い点数が取れて、どのような人なら低い点数になるのかを検証してみましょう。
まず、年齢については、20代後半から50代前半の人は点数が高くなる傾向があります。働き盛りの年代ということもあって、信用度が上がるのでしょう。50代後半から60代、さらにそれ以上年齢が上がると、点数が低くなります。この年代は年金生活者が多く、収入が少なくなるので、クレジットカードの作成も難しくなります。
職業や勤め先に関しては、国家公務員や地方公務員、一流企業か大手企業の正社員、医師、弁護士などの士業についている人は、高い評価を受けられます。逆に、アルバイト、パート、芸術家、日雇い労働者、水商売の人などは点数が下がります。
ただ、職業については、自営業者でも広く受け入れているクレジットカードがあったり、主婦も対象にしているカードもあったりなど、各社で判断が分かれていますので、最初から自分の職業をもとに、カード審査に落ちるのではないかと決めつけないほうがいいでしょう。
勤続年数は長ければ長いほどいいです。あまりちょくちょく仕事を変わるようでは、信用度が落ちます。
年収は最低額が各社で決められています。おおよその目安は200万円くらいだとされていますが、それよりも低いところもあります。無職や無収入の人だと、申し込みをしても断られます。年金収入だけの場合も、やや厳しくなります。専業主婦の場合は、配偶者の収入の多寡で判断がされるようです。
家の種類については、持ち家に高い点数が付きます。持ち家とはいっても、住宅ローンを組んでいる人が多いでしょうが、それだけ確実な収入があると見なされるので、信用度は上がります。
居住年数は家の種類とも関係がありますが、長ければ長いほどよくなっています。居住年数が短く、引っ越しを繰り返している人の場合は、支払いが苦しくなったときに逃げられてしまうのではと疑われるのです。
同居家族は多いほうが有利とされていますが、あまり人数が多いと、生活面で大変なので、支払い能力に疑問を持たれる場合もあります。それから、家族がいるほうがいいとされるのは、クレジットカードの本会員が支払いをできなくても、家族が代わって支払いをしてくれる可能性があるからです。
他社借入件数や他社借入額も申告しなければいけませんが、少なければ少ないほどいいでしょう。
以上のように様々な項目にわたって審査が行われますが、一つの項目の点数が低いからといって、悲観する必要はありません。スコアリングでは全体的な評価が重要になってくるので、総合点がある程度の点数になれば、審査通過の可能性があります。
したがって、よほど属性の内容が悪くない限り、申し込んでみるほうがお得です。
3Cについて
クレジットカードの審査においては、3Cといわれるものが重視されます。3Cとは、Capacity(資力)、Character(性格)、Capital(資産)のことです。このうち、資力については、支払い能力を調べるものなので、属性の審査でかなり把握できます。
性格は日ごろお金に関することにどのような向き合い方をしているかの情報です。性格の調べ方はいくつかありますが、まず申込書の記入の仕方に問題がないかチェックをされます。誤字脱字、記入漏れ、記入間違いなどがある場合は、性格の判断の上で損をします。申込書の作成に当たっては、細かいところまでよく見て、正しい記入をしたほうが審査に有利になります。
また、お金の管理がしっかりできているかを調べるために、クレジットの利用履歴も見られます。これは信用情報のチェックという方法で行われます。
資産に関しては、不動産や車、貯蓄など返済の担保となるようなものを所有している人は、万一支払いができなくなった場合でも、カード会社としては安心なので、審査に通りやすくなります。そういう意味では、資産を所有していたほうがお得です。
信用情報のチェックとは
これまでのクレジットカードやローンの取引履歴、支払い履歴、事故情報などがすべて掲載されているのが個人信用情報です。個人信用情報は、信用情報機関に保管されています。クレジットカード会社では、申し込みがあった場合は、必ず信用情報機関に照合を行うのです。したがって、過去のクレジットカードヒストリーはすべてわかるようになっています。
信用情報機関は、現在3つあります。以下の通りです。
- シーアイシー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター
このうち、クレジットカード会社がよく利用するのがCICとJICCです。
どんな情報をクレジットカード会社が調べるのかというと、まず他社借入件数と借入額です。他社借入件数や借入額は申込書にも記入することになっていますが、クレジットカード会社では信用情報機関にも照合して、確認を取っているのです。したがって、虚偽の申告をしても意味がありません。
また、借入件数や借入額があまりに多いと、クレジットカードの利用を断られることもあります。
もう一つ注意したいのが、金融事故情報です。クレジットカードやローンの支払いの延滞、債務整理などの記録があると、クレジットカード会社は新たなクレジットカードの発行を非常に嫌がります。
もし過去にこのような経験があれば、しばらくは新たなクレジットカードの作成はできなくなると見ておいたほうがいいでしょう。したがって、金融事故情報が掲載されていないほうが、お得にクレジットカードの利用ができます。ただ、一定期間を経過すれば、金融事故情報は消えるので、それを待ってから申し込みをするといいでしょう。
ところで、カード会社によって、照合する信用情報機関が違います。別の信用情報機関に保管されている情報はばれないのではないかと思う人もいるでしょうが、金融事故情報は共有されています。したがって、すべての情報は簡単にわかるようになっているのです。
共有システムはFINEとCRINと呼ばれます。FINEでは、JICCとCICの情報を共有し、CRINでは3つの機関の情報をすべて分け合っています。
金融事故情報が信用情報機関に登録されているか自分で照合することもできます。気になる人は、一度確かめておいたほうがよく、そのほうがクレジットカードの申し込みも安心してできるでしょう。